期待ということ
「期待してるよ」
家族や先輩や上司や。
こんなことって嬉しいことで、
その言葉で、私は頑張らなければいけない存在なんだと気づく。
努力すべき存在なんだと思う。
頼られているんだと私が存在する意義になる。
けれども、それを苦しいと感じてしまう自分もいる。
本当は期待されるべき存在ではないのに。
そんな能力は備わっていないのに。
褒められれば褒められるほど、
本当の「わたし」ではない誰かが一人歩きしているようで、
結局私ってどこにいるんだろう。
外枠はどこまで行ってしまったんだろう。
こんな感情は、
それは相手への無礼であって、
行き場のないこの気持ちは
どこか彷徨ってしまう。
誰かの好意を素直に喜べない私の中身は、
どこに帰ればいいんだろう。
私は、こんな贅沢な悩みを抱えていいんだろうか。